真一 (カランコロン)「こぉんばぁんは。」 深雪 「こんばんわ」(疲れた……今日はちょっと忙しかったな)とドアを開けて入ってくる 真一 「紅茶を。ホットで。」>マスター 真一 「こんばんは。」 深雪 「お久しぶりですね。学校の方はいかがですか?」と話ながら席に座る 深雪 「オレンジジュースをお願いします」>マスター 真一 「辛いッスね。登下校だけでも。」>五十嵐さん 真一 「この夏は部屋に籠もってたもんで。」 深雪 「そうなんですか(……え、部屋に籠もっていた?)」>真一 真一 「なんとかB判定に持ってきましたよ。」<籠もってた、につながっているのです 深雪 「……この夏はどこかに行っておられたのですか?」<ちょっと分からない風に(笑)>真一 深雪 「?B判定?何かの試験ですか?」>真一 真一 「いや、だからずっと部屋に籠もってたって……?」<どこかへ 真一 「模試ですよ。もし。合格率判定試験。」 深雪 「あ、失礼しました……てっきり、部活の合宿で籠もっていたのか、と思って」とちょっとボケた事をいってみる(笑) 真一 「そう……普通高3ってのは『最後の夏』なんだよなぁ……」カウンターにつぶれる 深雪 「そうか、飯島さんも受験生なんですね」 真一 (しっかしここで浪人するわけにもいかんしなぁ……。) 真一 「ですよ。」 真一 「久遠とか楽なんだろうなぁ……なんとなく……」 深雪 「久遠さん……ですか。確かに、彼はけっこうこつこつまめにやる人のように見えますね(苦笑)」 真一 「こちとらずっと寝てた人で……。」 真一 「高1の二学期までは真面目な生徒だったのに……」 深雪 「私は、大学受験の経験がないのでそう偉そうな事を言える筋合いではありませんけど」 真一 「?」 深雪 「もう少し気を楽にして取り組んだ方がより学力が身に付くと思いますよ(微笑)」 真一 「ううん……」 真一 (目ェ血走ってそうだしなぁ……) 深雪 「今からだって、がんばれば取り戻せない事はないと思いますよ」 真一 「ンな気もするんですがねぇ……」 真一 <気楽にした方が 深雪 「……ところで、飯島さんはどういう学科を志望されているですか?」 真一 「……法学部です……。」 深雪 「法学部ですか……やっぱり弁護士とか、法律関係のお仕事を望んでおられるのですか?」 真一 「……そう……ですね。」ちょっと首傾げながら答える 深雪 「私は……何になりたかったんだろうなあ……」とオレンジジュースを一口飲み、小声で呟く 深雪 「では、私はそろそろ失礼します。受験頑張ってください」と席を立ち、バーの外へ出ます。 真一 「あ、おやすみなさい。」 真一 (法学部入って……キャリア組に入って……) 真一 (道は遠い……) 真一 (誰もこねぇな……) 真一 「静かですねぇ……。」>マスター 真一 などといって 真一 くてっ、と突っ伏す。 真一 「んん……」起きる。 真一 (ちょっと寝たな……) 真一  席をたって「じゃあそろそろ帰りますわ。ごちそうさまでした。」>マスター