__那智  軽く扉の鐘を鳴らしながら店に。 _8_那智 「マスター、アーリータイムズを」 _8_那智  グラス傾けながら、何か考えていそうに見えるが……実は何も考えてない(笑) _8_那智  からん、と空になったグラスの氷が鳴った音で、我に返る。 _8_那智 (久々だな、この空白の感覚) _8_那智 「今日は、僕が最初で最後かな?それも珍しい」微苦笑 _8_那智 「賑やかなここも良いのだろうが、静かな方が?」何となくマスターに聞いてみたり _8_那智  マスターのアルカイックスマイルな返事に、「……そうか」苦笑 _8_那智 「じゃ、早く店じまいできるように、引き上げるよ」くすっと笑ってグラスを置き、立ち上がる _8_那智 「ごちそうさま、お休みなさい」店を出て行く