__大地 「(からんころん…)……こんばんわ…っと……。」 コソコソ。とどこか泥棒っぽく入ってくる少年。傍らには狼が付き添っている。 __大地  今日は白いYシャツに緩く締めたネクタイ、スラックス。といった姿の少年。マスターに頭を下げたあと。適当な席につく。 _5_大地 「えっと……ココア下さいな。」椅子に腰掛け。傍にひかえるでっかい犬の背を撫でながらマスターに注文。>マスター _5_大地 「………眠い…。」頬杖をつきながら。心底だるそうに呟く。 __龍樹 (からん)「今晩は。」いつも通りの黒コートで、この間具合悪そうだったのが嘘のように入店。ただ、見る人が見れば上辺だけなのがしっかり分かるのだが。 __龍樹  大地を見つけて、会釈。その後ちょっと奥の方へ。 _5_大地  そしてココアのコップから伸びているストローを口に咥えたまま、頬杖ついてこっくりこっくりやっている少年。 _3_龍樹 「(…眠ってる…?)」こっくりこっくりしているのを見て。くすりと笑い。 _5_大地  吸って…吐いて……吸って…吸って……。「…………はぐっ!?」 呼吸と同時に飲み込んだココアが喉につまり、咳き込みながら起床。 _3_龍樹  くすくすと笑いながら。「おはようございます、大地さん。寝不足ですか?」>大地 _3_龍樹  ちょっと正面に視線を戻して。「マスター。お水もらえますか?」と。>マスター _5_大地 「けふっ、けふっ……は………ぇっ!? あ、十六夜さん。おはようございます。」ゴホゴホ咳き込みつつも、頭を下げてへこ。と挨拶。 _5_大地 「そうですね……ちょっと寝不足かも…しれません…。」 傍らにいる狼の視線が痛かったりもしたが、曖昧な笑みで応対。>龍樹 _3_龍樹  ポケットから袋を出して、数えつつその中から錠剤を取り出し。 _3_龍樹 「何にせよ、ストローを口にくわえたままは危険ですよ。」微笑しつつ。>大地 _3_龍樹  錠剤を口に入れ、水で流し込み。飲み込んだ後ちょっと眉をしかめていたり。 _5_大地 「はい……次は気をつけようと思います。」あはは…と失態を見られて気まずそうな顔をしつつも、素直に返事をして「………?」 _5_大地 「お薬……ですか? どこか具合でも悪いんですか…?」龍樹が飲んでいる錠剤を凝視。 _3_龍樹 「…ちょっと、体調を崩したみたいでしてね。」微苦笑。「原因は、よく分からないのですが。」>大地 _3_龍樹 「…酷いんですよ。病院に行ったら精神科に回されそうになったりして。」くつりと笑い、ちょっと茶化して。>大地 _5_大地 「……原因不明……ちゃんと診てもらわなきゃダメですよ? 病気とかは、最初が肝心なんですから…。」まじまじ。と龍樹の顔を観察しながら、気遣わしげな声をあげ。 _5_大地 「精神科………ですか?」何故、精神科……と、カクン。と首を傾げ。>龍樹 _3_龍樹 「別に、目立った異常はなかったみたいで。…血液は採って貰ったんですけどねえ。」思い出しつつ。「ヒステリー症状か何かに思われたんでしょうね。」微苦笑。>大地 _3_龍樹 「…ヒステリーで血まで吐いてたまるかっ、なーんてね。」ぼそりと独り言。殆ど無意識に呟き。 _5_大地 「貧血とか…そういった感じなんですかね……?」相手の言葉を咀嚼しつつ、首を傾げたまま問い。「ヒステリーなんて言うのは……酷いです……って。 血……?」目を僅かに開き驚いたような顔をして>龍樹 _3_龍樹  自分の呟きに気づいていなかったようで「…今、私何か言いました?」やばっ。て顔。>大地 _5_大地  ホントにどうしたのだろうか……と少し表情が曇り「……えっと……血を吐いた。って…。」>龍樹 _3_龍樹  すぅっと目が細まり、冷たい雰囲気に「…忘れてください。今聞いた事は。」>大地 _5_大地 「………ホントに大丈夫なんですか……?」一変した龍樹の雰囲気に、びく、と一度肩を震わせつつも頷き。>龍樹 _3_龍樹  頷いたのを見て、いつもの雰囲気に戻し「…大丈夫ですよ。まだ、生きてますし。」微笑。>大地 _5_大地  雰囲気が戻ったのを感じて。ほっと息を吐きつつも。「……そういう言い方は、全然大丈夫じゃないと思います…。」>龍樹 _3_龍樹 「…じゃあ、『大丈夫。心配ありませんよ』なんてのはどうです?」冗談ぽく。>大地 _5_大地 「全然信用できませんよっ!! ……騎士の方々にも、医療に詳しい方とかいますよね……?」暗に診てみてもらっては…という少年。>龍樹 _3_龍樹  肩を竦め「煩わせたくないので。…第一、私の知っている騎士で医療に詳しい人と言えば…(1人は…騎士ではなくなってしまったみたいですし…)」何を思い出したのか、溜息。>大地 _5_大地  龍樹様子に首を傾げつつも。「こういう時に迷惑をかけないでいつかけるんですか……。 ……えっと、神無月さんとかは?」騎士についてはよく知らないが、白衣を着ているところを見て医者だと思ったらしい。>龍樹 _3_龍樹 「…出来れば避けたい…。」がっくりとうなだれ。嫌そうに。<神無月さん>大地 _5_大地 「ですが……騎士の方なのですし。腕はとてもいい人だと思いますよ……?」ココアを飲みつつ。正論ぶった口調で言う少年。>龍樹 _3_龍樹  うなだれから立ち直り「一度、一晩くらい一緒にいてみれば分かります。」至極真顔。>大地 _5_大地  何故ぐったりしていたのだろう……ととても不思議そうに龍樹を見遣り。「十六夜さんは、一晩ご一緒したことがあるんですか…?」純粋に聞いた。>龍樹 _3_龍樹 「…何か言い方が誤解を招きそうなのですが…。単に研究所に行ってみただけですよ。かなり前に。」頭痛がしてきたのか、眉間を押さえ。>大地 _5_大地 「誤解……?」子供には判らない世界だった!「研究所……ということは、やっぱり頭が良い人なんですよね。診てもらったら何か判るのでは……?」>龍樹 _3_龍樹 「判らないなら良いんですよ。」にっこり。<誤解 「…選択肢の一つとしては、考えておきますよ。」>大地 _5_大地 「はぁ………。」なんだろう。と内心疑問符を浮かべまくりつつ。「……ホントに御自愛してください、ですよ?」念を押すように一言。>龍樹 _5_大地 「……っと、そろそろ僕は失礼しますね…。」ココアをぐぃっ。と飲み干しつつ。 _3_龍樹 「…善処しますよ。」微笑。>大地 _3_龍樹 「良い夜を…。学生はちゃんと眠らないと駄目ですよ?」微笑しつつ。>大地 _5_大地 「よっと……。」床まで脚が届かないので、飛び降りるように掛け声をあげつつ。「はい。龍樹さんのその言葉、信じます…。」頷き、笑みを浮かべながら返し。>龍樹 _5_大地 「はい。帰ったらちゃんと寝るようにしますですよ。 さようならです。」ぺこ。と頭を下げたあと。傍で寝ていた狼と連れたって去っていった…。 _3_龍樹 「…………。」微笑。裏の感情が全く読み取れないような。<信じる>大地 _3_龍樹 「(…さて…本当に、何なんだろうね?)」少し、遠い目をしつつ。 _5_大地 「ラウ。よろしく。」店を出て。狼の背中に乗りながら去っていく少年のような青年。 _3_龍樹 「(ただの病気なら、それでいいのだけど…。何にせよ、検査の結果待ちか…。)」 _3_龍樹 「(まぁ、どんなものだろうと、やる事は…一緒ですね。)」席を立ち。 _3_龍樹 「では…良い夜を。マスター。」一礼して、退店。