聖歌 (からんころん) 聖歌 「ごきげんよう、マスター」丁寧にお辞儀をして、制服姿の聖歌が入ってくる。 聖歌 ちらっと奥を見て、一番奥のカウンター席に着席 _0_聖歌 「あ、いつものお願いします。」 _0_聖歌 暫くして、ホットミルクとアップルパイがカウンターに並べられる _0_聖歌 「ありがとうございます。(パクモグ)美味しい…。」 _0_聖歌 「今日も誰もみえませんね…え、昨晩はいらしたのですか?タイミングが悪いだけですか…」 _0_聖歌 学生鞄を取り出して…ふと気が付いてマスターに問いかける。 _0_聖歌 「あの…一昨日の晩、ここに文庫本を忘れていきませんでしたか?」 _0_聖歌 マスターはにっこり笑って、カウンターの奥から本を取り出す _0_聖歌 「あ、ありがとうございます。あの…中、見てませんよね?(///)」 _0_聖歌 「あははは、そうですね、いえ、見てないならいいです。はい。」 _0_聖歌 (汗々) _0_聖歌 (パクパク) _0_聖歌 (もぐもぐ) _0_聖歌 (こくこく) _0_聖歌 返してもらった文庫を再び読み始める聖歌 _0_聖歌 (かちゃかちゃ) _0_聖歌 (パクッ!) _0_聖歌 「…ふむ、要はタイミングか…いや、そもそも、こんな状況には中々…」 ウルバヌス 静かな音を立てて扉が開く、しかしそれに続く足音は無い ウルバヌス 「…こんばんは、隣の席宜しいですか?」/ _0_聖歌 「…!」 _0_聖歌 驚いて腰を浮かす。(気配が無い…いや、私が気付けなかっただけか?) _0_聖歌 「え、えぇ、どうぞ。」 _0_聖歌 「はじめまして…ですね。私は"白薔薇"の近衛聖歌と申します」 _0_聖歌 / ウルバヌス 黒衣の男…というより少年は軽く会釈をして席に着いた。 _1_ウルバヌス 「すこし驚かせてしまったようですね」 _1_ウルバヌス 「僕は…そうですねウルバヌスとでもいいましょうか」 _1_ウルバヌス 「あなたの事は存じています"白薔薇"卿、教会の中ではその名は高い」/ _0_聖歌 「まさかっ"独白する"ウルバヌス!前教皇が隠し通した、あの退魔兵器かっ!」 _0_聖歌 驚愕を隠せず、再び腰を浮かす聖歌…その手が腰の十字架に触れ…暫しの後、大きく息を吐く。 _0_聖歌 「…失礼しました。此処に貴方がいるという事は、騎士団に入られたのですね。」/ _1_ウルバヌス 「その通りです、主の命に従い円卓に名を連ねる事になりました。」 _1_ウルバヌス 「いずれどこかで背中をお預けするかもしれませんね、その時はよろしくお願いします。」 _1_ウルバヌス 十字を切り礼をするウルバヌス。/ _0_聖歌 僅かに上気した顔で頷く聖歌、ウルバヌスは気付く、彼女は己の狭量を恥じたのだ。 _0_聖歌 「此方こそ宜しく、ウルバヌスさん。いずれ共に戦場に立つ時は、私も背中を預けましょう。」 _0_聖歌 微笑んで手を差し伸べる。/ _1_ウルバヌス 彼はその手を取って静かに唱えた _1_ウルバヌス 「Blessed is He who comes in the name of Lord...」/ _1_ウルバヌス (祝福あれ、主の御名によって来られる方に。) _0_聖歌 暫くウルバヌスの瞳をジッと覗き込んだ後、カウンターのカップを手に取る。 _0_聖歌 「…第四の扉が開かれた、青ざめたる馬ありき。それに乗る者の名を"死"という。」 _0_聖歌 「貴方の力は、白薔薇に匹敵する強大なものです。しかし…」 _0_聖歌 「しかし、魔獣と呼ばれる存在は、それを易々と踏み越える"力"を持っています。」 _0_聖歌 「円卓に名を連ねる騎士を頼りなさい。一人で打ち勝てぬ邪悪に立ち向かうために、我らは手を組むのです。」/ _1_ウルバヌス 「ご存知かもしれませんが_________」 _1_ウルバヌス 「私は主の使わした"武装"です。それ以上でもそれ以下でもない」 _1_ウルバヌス 「故に私は常にあなた達と共にあります。剣として。」 _1_ウルバヌス …その言葉に迷いは無かった。/ _0_聖歌 「その覚悟、お見事です。私も主命に従う"盾"にすぎません。…いつか、共に戦う事を…」 _0_聖歌 話している途中、カウンターに置いてあった本に肘が当たり、文庫本がウルバヌスの足元に落ちる/ _1_ウルバヌス 「…?」 _1_ウルバヌス さしたる疑問も持たずそれを拾い上げ、中を開こうと…/ _0_聖歌 タイトル:『絶対失敗しない恋愛講座 〜初級編〜』/ _1_ウルバヌス 「…」 _0_聖歌 「…」/ _1_ウルバヌス 「…フフ」 _1_ウルバヌス 沈黙を破ったのは少年のほうだった/ _0_聖歌 「あ、あ、ああああああああっ!、こっこれはですね!」 _0_聖歌 ババッと、本を奪い取り胸元に隠す聖歌 _0_聖歌 「えっと、これは、その、アレですよ、アレ。えっと…そう、人類学の命題について研究していたんです!(///)」大慌て _0_聖歌 / _1_ウルバヌス 「フフ…そうですか…研究の成果がでると良いですね」 _1_ウルバヌス 少し目を細めながらアイスコヒーを注文する、口にはまだ微笑が残っていた。/ _0_聖歌 「あ、あぅ…信じてませんね!?目が…目が笑ってますよっ!」 _0_聖歌 席を立って、座って、もう一度たつ _0_聖歌 わざとらしく腕時計で時間を確認して、取ってつけたように驚いた声を出す。 _0_聖歌 「わぁ、もうこんな時間!早く帰らないと!…研究の成果については、また今度お会いした時にでも!」 _0_聖歌 いそいそと荷物を片付けて、入り口へダッシュ! _0_聖歌 「そ、それでは、ごきげんよう!…この本のこと、他の皆さんには絶対内緒にしてくださいねぇーっ!」 _0_聖歌 (からんころん) _0_聖歌 一気に喋って、聖歌退場 _0_聖歌 / _1_ウルバヌス 「おやおや、嵐のようだ…」 _1_ウルバヌス アイスコーヒーを啜り静かにカウンターを眺めて独白した。/ _1_ウルバヌス 「…」 _1_ウルバヌス 空になったグラスをカウンターに置き、静かに席を立った。 _1_ウルバヌス マスターに会釈するとそのまま歩き出す _1_ウルバヌス 長い黒髪を微か揺らして、ウルバヌスは店を後にした。