_4_遼 カラーン…… 「お久しぶりです、マスター」正面の席に座る。 _4_遼 「ああ、すいません。そうですね、XYZを」 _4_遼 「『もう終わり』かって? ええ、すいません、明日は用事があるので一杯だけ」 _4_遼 グラスを受け取りながら「結婚式なんですよ」と笑顔。 _4_遼 「僕のではないですよ」「……残念ながら、相手もいませんしね」と苦笑い。 _4_遼 「表の仕事(神父稼業)というわけでもないです。昔からの親友の式なんです」 _4_遼 「僕たちが戦いの地に赴いている中で、平穏な日常を過ごしている人がいる……」 _4_遼 「それが、すごく嬉しいんですよ」 _4_遼 「<円卓の騎士>がなければ、この幸せがなかったのかもしれませんからね」 _4_遼 静かにグラスを傾けていく。 _4_遼 「幸せな夫婦になる人たちは、何度も見てきていますが。身近な人というのは初めてで……」 _4_遼 「黄昏ている訳ではないんですが、ちょっと不思議な気分なんですよ」 _4_遼 静かにBGMが流れ続ける。 _4_遼 「ご馳走様です、マスター」 _4_遼 「……ええ、しばらくはこちらにいることになりそうです」 _4_遼 「では、また」スツールから立ちあがり、包みと聖書を握ったまま静かに扉を開ける。 _4_遼 からーん…… _4_遼 BGMが流れ続ける。