_3_東護 静かにBARの扉を押し開き、中へと入って _3_東護 「こんばんは」とマスターに穏やかな声音で挨拶する。 _3_東護 「久し振りだが、今日は静かだね」そう言いながら適当な席に移動すると、コートを脱いでから腰掛ける。/ _3_東護 「ジントニックを頼むよ」いつもの注文をすると、脱いだコートは曲げた左腕で持ってゆったりと寛いだ様子でマスターの動きを見ている。/ _3_東護 やがてマスターが出来上がったジントニックを自分の前へと置くのに「どうも」と短く答え、右手で引き寄せるとゆったりとした動きで口へと運ぶ。/ _3_東護 「それにしても、今年は色々有ったよ」とグラスを傾ける合間に言って、目を細め。「それでも、生きているのは幸い。と言う所だな」そう続けると微笑む。/ _3_東護 「まあ、来年はどうなるか分からないが、出来れば無事に一年を過ごしたい物だ」言い終えると、残っていたジントニックを飲み干し。 _3_東護 「ご馳走様。来年もこうやって飲める様に祈っておこう」グラスをカウンターに置き、軽く会釈すると席を立ち、コートを羽織る。 _3_東護 「では、失礼するよ。良い夜を」来た時と同じく穏やかな声音で言うと、BARを後にした。/