_5_夜真 (からからん)黒い和服に、下駄を履いた男が入店する。/ _5_夜真 「あけましておめでとう、マスター。…む、まだ誰もいないのか」席を見渡し、5番席に座る。 _5_夜真 「俺が今年は初めての客か?…む、昨日二人来ていたのか…そうか…」/ _5_夜真 「…そうだな、熱い茶を一杯頼む。」足を少し動かしたのか、下駄がカラカラと鳴る音がカウンターの下からした/ __クローズ 扉をあけて、スーツ姿の地味な男が、アルミ製のスーツケースとたたんだコートを手に入ってくる。 __クローズ 店内を見渡して、微笑しながら「こんばんは、賽河さん」/ _5_夜真 「……ああ、あけましておめでとうと言うべきか?」>クローズ/ __クローズ 微笑して「昨日、すっかり新年だと言う事を忘れていた私が言うのも何ですけどね」 __クローズ 「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いしますね。」>夜真/ _5_夜真 「そうだな…仕事が一緒になった時は足を引っ張らぬよう、最大限努力する。」茶をすすりながら>クローズ/ __クローズ 微笑して「こちらも迷惑を掛けないように努力しますよ。なにせ、私は死にたくないですし、味方が減るのも困りますからね。」>夜真 __クローズ 6番席を指して「お隣、よろしいですか?」>夜真/ _5_夜真 「同感だ。特に幼い連中は、な…。」少し、誰かを悼むような顔を見せた後「かまわん、座ってくれ」>クローズ/ __クローズ 「では、失礼しますね」>夜真 __クローズ と、6番席に座る/ _6_クローズ 「おや、のんびりしている間にラストオーダーが過ぎてしまいましたね」 と、苦笑 _6_クローズ 「そういえば、賽河さんのところは新年の用意はしていたわけですか?私の方は、忘れていたぐらいなので何も用意はしていませんでしたが」>夜真/ _5_夜真 「それは残念だったな…そういえば、今年一番乗りかと思ったのだが、昨日の晩に先客がいたらしくてな、俺は3番目らしい」フム、と息をならし、 _5_夜真 「ああ、年末は家中大忙しだったな。今年は主が受験ということもあるし、迅速かつ正確な仕事が要求された」<新年>クローズ _5_夜真 / _6_クローズ 「受験ですか…色々大変らしいですね。受験そのものとは縁のない生活ですので実感は沸かないですけど。」 _6_クローズ 「迅速なのは良い事ですね。その分、勉学に時間を割けるわけですから」>夜真/ _5_夜真 「美大を希望しているらしいがな、今の成績ならどこまで行くやら。」茶を飲み干す>クローズ/ _6_クローズ 「教育は大切ですからねぇ。文明を発展させるためには欠かせない。」>夜真/ _6_クローズ 「賽河さんは、何か(勉強の)手伝いをしているわけですか?」>夜真/ _5_夜真 「理数系や歴史に関しては一折教えられる。」>クローズ/ _6_クローズ 「独学よりも、そうやって教える人間がいる方が効率が良いですからねぇ」 _6_クローズ / _5_夜真 「それ以外に関しては…」ズズ…と、手を前で組んだまま微妙に猫背になっていき、「喜んでいたな、『教える側に立つことで、より深く理解できる』と」/ _6_クローズ 「理解していないと説明することは出来ませんからねぇ…」 _6_クローズ 「さて、そろそろ時間ですし、失礼しますね。」>夜真 _6_クローズ 「それでは、おやすみなさい」>マスター、夜真 _6_クローズ 言った後、店から出ていきます/ _5_夜真 「ああ、おやすみ」 _5_夜真 「俺もそろそろ帰ろう、マスター…よい夜を」 _5_夜真 からん、からんと下駄を鳴らしながら、退場/