マスター ***騎士たちの宴*** マスター 【開催日】 マスター  第1夜 29日(金曜日)23:00〜 マスター  第2夜 30日(土曜日)23:00〜 マスター 【テーマ】 マスター  今月のテーマは、「今年を振り返る」 マスター  多数のご来店をお待ちしています。 _静 カラコロとドアベルを鳴らして、オレンジのダウンジャケットを羽織った静が入ってくる。 _静 「こんばんは〜」とマスターに声を掛け、席を物色する。/ マスター 「いらっしゃませ、最近、寒くなってまいりましたね」/ _4_静 「ほんとにね〜。あ、マコン・ヴィラージュ・ヌーヴォー。今年はまだ飲んでないのですよ〜」と注文しつつ着席/ マスター 「かしこまりました。なかなか、いい出来のようですよ」綺麗に透き通った金色のワインをグラスに注ぎ渡します/ _4_静 「ボジョレーは、アレはアレでいいんだけどね。私は白の方が好きなんだな〜」と軽く揺らして匂いを嗅いでから、口に少量含む。 _4_静 「普段は軽いのは飲まないんだけど、ヌーヴォーだけは、お祭りみたいなもんだしねぇ」と味を確かめてニッコリ。/ マスター 「確かに。普段はワインを飲まないかたも、飲みますからね。もっとも、ここではあまり出すことはありませんが」/ _4_静 「季節モンだし、ヌーヴォーは1年程度で飲まないとダメだしねぇ」マスターの言葉に頷きながら/ マスター 「ここは、わりと未成年の方もいらっしゃいますしね。何せ、普通のBARではありませんので」/ _4_静 「そういやそうだっけ……まぁ、騎士は見た目じゃ歳分からない人もいるし、自己責任だと思うけどね」/ マスター 「一応ですが、名簿はみせてもらっていますよ。もっとも、なんといいますか、みなさま凄いですので驚くことが多いですね」/ _4_静 「そりゃそっかー。しかし、タダで飲ませて貰えるってのは、こっちにとっちゃありがたいことだしね〜」/ マスター 「たしかに。とはいえ、みなさま、お忙しいようで、閑古鳥がないていますけどね」肩をすくめます/ _4_静 「寂しいねぇ……とはいえ、裏の仕事だけで生活してるわけじゃなし、仕方ないっちゃあ仕方ないとこだよね」ワイングラスを傾けつつ/ マスター 「それほどお客様の数も多くありませんしね」 マスター 「なにせ」 マスター 「世界最強のかたがたで、かつ魔獣と戦う意思を持つ人のみが入ることができるのですからね。例外もいますけど」/ _4_静 「例外?」首を傾げつつ、空になったグラスをカウンターに置く。/ マスター 「はい、ここ10年の間に数回ですが、総帥のきまぐれなどで何人かおいでになりましたよ」/ _4_静 「へぇ……ま、私には関係なさそうな話だねぇ」と空のグラスを突っつく/ マスター 「だといいのですけどね」/ _4_静 「仕事柄、半分世捨て人だしねぇ」自分を指しながら苦笑いしつつ/ マスター 「いえいえ」 マスター 「魔獣が来店することがあるのですよ」/ _4_静 「あー、そりゃー、なんつーか……大変ですね」他に言葉が浮かばないのが見えるくらいの呆れ顔で/ マスター 「死者がでていないので、ありがたいですけどね」/ _4_静 「そーですか……うーん、ビックリだなぁ。あ、もう一杯ワインとお摘みにチーズ、お願いします」/ マスター 「かしこまりました」/ _4_静 出てきたチーズを囓りながらワインを一口。 _4_静 「しかし、今年は後半になって金回り良くなって助かったわぁ」/ マスター 「魔獣との戦いで、ですか?」/ _4_静 「ですよ〜。ぺーぺーのフリーカメラマンなんて、生きていくのがやっとなレベルですからねぇ」 _4_静 「……人の命とか、世界とか、そこまで考えちゃうとね、私としては重すぎて……」 _4_静 「だから、ドライな様だけど、まぁ、そう言う風に考えることにしたんですよ」と苦笑しつつ/ マスター 「なるほど・・・」(しばし考えて)「私には世界を救うなんてことは、そもそもピンとこないですね」/ _4_静 「自分で言ってもピンと来ないですよ。でも、まあ、そのままにしとくと迷惑だって事ぐらいは私にも分かるんで」/ マスター 「たしかに。しかも、それをできる人が限られていますからね。仕方ないと思いますよ」/ _4_静 「だから、私は……使命感とか持ってやってる人には悪いけど、あくまでもビジネスだと思うことにしてるんですよ」/ マスター 「他にもビジネスでやっていらっしゃる方もいますし、いいのではないでしょうか? まあ、中にはただの興味本位でいらっしゃる方もいますが」/ _4_静 「なるほどねぇ……興味本位ってのは流石に想像してなかったなぁ」チーズを頬張りながら/ マスター 「いろいろいますよ、騎士の方々は。通常の倫理観をもっていない方も」 マスター 「でも、それでも魔獣に勝つには必要なのでしょうね」/ _4_静 「まあ、私が知ってる騎士なんて10人ちょいだし、知らないうちにはそんな人もいるんだろうねぇ」 _4_静 「最悪、勝てばいいって考えの人が居るのも、それはそれで納得かな」/ マスター 「ではないでしょうか? 私はそのあたりよく知らないのですが、魔獣はそれほどの存在なのでしょ?」/ _4_静 「そう……なんだろうけど、私が見たのってまだ2体だし、亡くなった人には悪いけど、そこまでのイメージは沸かなかったなぁ……」 _4_静 「あ、いや……3体か……アレは別格だったな……アレを基準に考えると、やっぱり倒さなきゃいけない存在なんだろうなぁ」<十兵衛を思い出しつつ/ マスター 「氷室さんには、そう感じられるわけですね。たぶん、私があったら、震え上がってしまうのでしょうね。一度殺されかけましたし」/ _4_静 「人の姿をしてるヤツだからかも知れないけど、良くも悪くも、人間くさい魔獣……って、言葉おかしいか……」 _4_静 「でも、まあ……そういうのとしか戦ってないからねぇ……」 _4_静 「知識不足と言っちゃえばそれまでかもね」/ マスター 「どうなんでしょうね。もう、その辺りは私にはなんともわかりませんね」/ _4_静 「ま、その辺は私にもまだまだ分かりませんってことで……ワインもう一杯」/ マスター 「かしこまりました」/ _4_静 貰ったワインに舌鼓を打ちつつチーズを囓る/ マスター 「そういえば、インドのほうでは、なんだか凄い騒ぎになっていますね」/ _4_静 「ああ、うん、そうだね……どっかに勤めてたら、私もあーゆー取材してたんだろうなぁ」/ マスター 「おや、そういう写真を撮るのですか?」/ _4_静 「何でも屋だから、撮りに行けと言われりゃ、よっぽどのことがない限り行きますよ」 _4_静 「今は魔獣のことがあるから、そう長く行けないんで、戦場とかは流石に無理だろうけど」/ マスター 「でも、氷室さんなら、生きて還ってこれるから安心といえば、安心ですよね」/ _4_静 「そうでもないですよ……自分が死なない様にすると、常時『先を見続け』ないと……そりゃ、精神的に勘弁です」苦笑しながら/ マスター 「見えすぎるのも大変なのですね」/ _4_静 「何事も過ぎたるは及ばざるが如し、ほどほどが一番です。それに、琴音さんみたいに空間移動出来ないしね」/ マスター 「たしかに空間移動は便利ですね、あれは私も欲しいですよ」/ _4_静 「うんうん、アレが有れば、ロケハン楽なのになぁ」/ マスター 「本場の市場で新鮮な素材を買えますしね」/ _4_静 「まぁ、無い物ねだりしても仕方ないねぇ……さて、口直しに焙じ茶でもいただこうかな」/ マスター 「かしこまりました」 マスター 「凡人にはうらやましいですよ、みなさんの力は」/ _4_静 「私はマスターの料理の腕の方が羨ましいね。ホント……美味しいねぇ」お茶を啜りつつ/ マスター 「恐縮です。一応、それでお金をもらっていますので」軽く頭を下げる/ _4_静 「いやいや、人より優れたことがあるってのは、それだけで良いものだし、それで食べていけるのが一番ですよ」ほうっと息を吐きつつお茶を飲む/ マスター 「それもそうですね。なんだか最近は不景気で、就職できない人も多いようですしね」/ _4_静 「そうですねぇ……私も好きなこと仕事にしてるけど、圧倒的に少ないはずだし……」/ マスター 「まったくです。もっとも、苦労するからこそ、その代償としてお金をもらえるという考え方もあるようですけどね」/ _4_静 「好きなことやってると、苦労もそう感じないんだけどねぇ……ま、その辺は私には言えそうにないかな」 _4_静 「さて、と……そろそろ撤収しますかね。マスター、お休みなさい。またね〜」 _4_静 そう言うと、静はあっさりと席を立ってドアの外へ消えていった。/