_5_真一 (カランコロン)「ういっす。」 _5_真一 「……久しぶりに来てみれば、流行ってませんね。」 _5_真一 「それだけ騎士同士が疎遠なのか、騎士の懐が潤ってるのか。」 _5_真一 「今日はウイスキー。なんか美味しいのください。このまえオールドパーってやつが美味かったな。」 _5_真一 「つまみは……肉。おまかせします。」 _5_真一 「ああ、ロックで。」 _5_真一 「ども。」 _5_真一 食い物飲み物を受け取ってからは、とくにマスターに話しかけることもせず、おとなしく味わっている。 _5_真一 「美味い。」つまみは、ソーセージかなぁ。 _4_紡生(人形) カウンターの向こう側から、ふわり、ふわりと数枚のハンカチが浮かび上がる。 _4_紡生(人形) それらは材質や色合いがばらばらだが、すべてが意志あるかのようにカウンターの上に降りると、 _4_紡生(人形) ばっと解けて舞うように絡み合い、見る間に少女の姿を模した人形を形作っていく。 _4_紡生(人形) 身長10cm強の少女の人形はくるくると回転してからぴたりと止まり、仰々しくカウンターを歩いてきた。 _5_真一 / _4_紡生(人形) 「あれ? 飯島さんじゃないですか。お久しぶりです」人形の表情が笑顔に変わり、穏やかな紡生の声で話しかけた>真一/ _5_真一 「うん、お久しぶりです。 ……?」(その心は……?)顔は普通だが、悩んでいる。/ _5_真一 (自称『人形』といえば若槻だが、似ても似つかないし。というか、聞いた声な気もするし……。)/ _4_紡生(人形) 「さて、私は誰でしょう?」かすかな笑いの気配とともに、人形が尋ねた。くるくる回りながら>真一/ _5_真一 「不思議の国のアリス?」/ _5_真一 (いや、アリスは本来、不思議に巻き込まれるほうなんだが。)/ _5_真一 害意はかけらも感じないので、考えながらも落ち着いている。/ _4_紡生(人形) 「ぶーっ。残念でした。………ごめんなさい。織部です。織部紡生」笑い声とともに正体を白状する>真一/ _5_真一 「……しばらく見ない間に、ずいぶんちっこくなっちゃって。」 _5_真一 真顔になって「……無事か?」一連の事件は知らない。『本体がそんな姿にさせられた≒身体が死んだ、みたいな事件が起きた』のではないかと心配している。/ _4_紡生(人形) 「ちょっとしくじって力のことがばれて避難しましたけど、大丈夫ですよ。この間依頼を一つこなしてほくほくしているところです」一呼吸置いて息を整え、答えた<無事か?>真一/ _5_真一 「……。」<一呼吸おいて _5_真一 「これは結局、どういうことだ?」可能なら、猫をつまみあげるイメージで背中を持ち上げる。<お人形の姿/ _4_紡生(人形) 「この姿ですか?」人形は首を傾げた/ _5_真一 「うん、その姿。変身?」/ _4_紡生(人形) 「今住んでいる場所が、N県の山の中なんです。そこからハンカチを操って人形の形にしています。ずいぶんと力の練習したんですよ」指が無かった人形の手が、いつのまにかVサイン _4_紡生(人形) 「ところで、放してください」じたばた/ _5_真一 「……安心した。良くできてるなぁ。」上から見たり下から見たり。/ _5_真一 で、解放。 _5_真一 / _4_紡生(人形) 「どこ見てるんですかっ」と、ひと暴れして<上から下から _4_紡生(人形) 放されると、ふわふわと浮かんでカウンターの上に着地した。 _4_紡生(人形) 「まったくもう」む〜っとふくれっ面になってる/ _5_真一 「どこだろうねぇ。」このオヤジ……!!/ _5_真一 「こういうのって、本人の主観はどうなってんの? こっちに憑依で本体はガラ空き? それとも、『こっちにも認識があるし、本体にも認識がある』ってな感じ?」好奇心/ _4_紡生(人形) 「飯島さんって、まじめな人だと思っていましたけど…」ふくれっ面継続中/ _4_紡生(人形) 「………ま、いいか」表情がもとに戻る _5_真一 「真面目だよ。ごめん。こっちから見たらお人形だから。気遣いが足りなかった。」笑顔ではあるが真摯に謝っているつもり。/ _4_紡生(人形) 「そうですよね、人形なんだから。」 _4_紡生(人形) 「こっちも気にしすぎました。ごめんなさい」ころころ笑った _4_紡生(人形) 「今は、私自身は寝ぼけてぼーっとしているような感じですね。ここまで深く繋がると、自分の方は自由にはなりません」<主観/ _5_真一 「ふぅん。」 _5_真一 「ちょっと怖いな。」<自分の方は自由にならない/ _4_紡生(人形) 「でも、一応周りのことはわかりますよ。何かあったら術を解けば大丈夫です」 _5_真一 「同居人が額に肉とか書いてても気付けないんだな。」/ _4_紡生(人形) 「あはははは。書いたらきっとぶん殴りますよ。ちゃんとわかりますから」 _4_紡生(人形) 「それに、これでもめったに怪我をしない体質だから、危ないことはないです」どんとこーい、という感じに自分の胸を叩く/ _5_真一 「ぶん殴る、か。もうちょっと大人しい子かと思ってたけど。え〜と、紡生でいいか? 『オリベ』より響きが好きだ。」二人称で呼んだことがなかった気がする。/ _4_紡生(人形) 「あら? いいですよ。好きに呼んでくださって。」カウンターに座りこみながら真一の顔を見上げる/ _5_真一 「ありがとう。じゃあ、紡生で。」 _5_真一 「ぶん殴られるかわいそうな子は、妹あたりか?」/ _4_紡生(人形) 「残念。弟です。小学1年生で、いたずら盛りなんですよ。飯島さんは、兄弟はいらっしゃるのですか?」/ _5_真一 「ああ、こっちも弟がいる。大学3年。……紡生と同じくらいか? いくつだっけ。」/ _4_紡生(人形) 「私も、力がばれなければ3年生でした。」朗らかな口調で/ _5_真一 「……難儀だな。俺たちは一応、世界を救う英雄のはずなんだが。」<バレなければ/ _4_紡生(人形) 「英雄って言う割には日陰仕事ですよね。命がけなのに」口調は変わらず/ _4_紡生(人形) 「でも、私はこういうのは慣れっこだから、もう平気ですよ」/ _5_真一 「……」指先で、人形の頭を軽く撫でてやる。/ _4_紡生(人形) 素直になでられている。 _4_紡生(人形) 「難儀って言ったら、今住んでいる場所ですね。本当に山奥で…近くの村に降りるだけで、無理しても4時間くらいかかるんですよ」溜息交じりに/ _5_真一 「うわぁ。ずっとこっちだから、そういう生活が想像できない。」/ _5_真一 「遊びたい盛りだろうに。」 _5_真一 / _5_真一 「……仕事してても、息抜きしにくそうだな。」/ _4_紡生(人形) 「色々と衝撃でした。お風呂って言ったら野ざらしのドラム缶出されたり…」 _4_紡生(人形) 「弟は、こっちでも友達ができて、よく遊んでいますよ」薬と微笑みの声/ _5_真一 「男でも抵抗あるぞ。それは。」/ _5_真一 「火の番は?」<風呂/ _4_紡生(人形) 「あ、それはさすがに弟や家主にさせたくないので、自分で思いっきり熱くしてから入ってます。今は周りを壁で囲ってあるから」<火の番/ _5_真一 「ああ、火は止めちゃうんだ。生火で湯加減は、難しそうだ。」/ _5_真一 「弟さんは大丈夫として、紡生は。さみしい思いはしてないか。」(聞くだけ野暮かもしれないが、な。)/ _4_紡生(人形) 「そうです。人形に火の番させると、燃えちゃいますし」ころころ/ _4_紡生(人形) 「寂しくないって言ったらウソになりますけど、私はこういうの、慣れていますから。それに、昔から結構平気な方ですし。」<さみしい?/ _5_真一 「いや、悪かった。なんだか自分より若い騎士をみると、無条件に憐れんでる気がする。」 _5_真一 「そういうのは大嫌いな奴も少なくないだろうに。ごめん。」/ _4_紡生(人形) 「謝らなくていいですよ。そんな風に思っていませんから。」 _4_紡生(人形) 「でも、飯島さんって、優しい人なんですね。」穏やかに/ _5_真一 「まぁ、優しくありたいとは思ってる。なかなかうまくいかないけどな。」にこり/ _5_真一 「気遣いついでに聞かせて欲しいんだが、若槻、最近どうしてるか知ってるか?」/ _5_真一 「そもそも若槻を知ってる?」/ _4_紡生(人形) 「そんなことないですよ」にこりと表情が変わった<うまくいかない _4_紡生(人形) 「若槻さんですか? ええっと、2ヶ月くらい前に、ここで会いましたよ」 _4_紡生(人形) 「普段と変わりない様子でしたよ」/ _5_真一 「ならよかった。」 _5_真一 「あいつもあいつで、なかなか不安定だからな。元気にしてるようなら。」/ _4_紡生(人形) じーーっと真一の顔を見て _4_紡生(人形) 「今度若槻さんのところに荷物を送るんですけど、一緒に「飯島さんが心配してました」って書いておきましょうか?」どことなく笑みを含んだ声音で/ _5_真一 「あ、いやいや、いい。」含みのニュアンスに少し照れ。 _5_真一 「今は具体的に心配があるわけじゃなし。様子が聞ければ充分だ。」 _5_真一 「タイミングが合えば、こっちで顔合わせることもあるだろ。」/ _4_紡生(人形) 「そうですかぁ。うーん、そうやって偶然会うのも縁ですよね。」ちょっと考え込んだ/ _5_真一 「縁は大事だよ。最初はたまたま会っただけの人間が、救ってくれたり地獄にたたき落としてくれたりする。」/ _4_紡生(人形) 「自分にそんなつもりが無くても、そうなっちゃうから不思議ですよね。」小さく溜息/ _5_真一 「さて、いい時間だな。そろそろ帰るか。」/ _5_真一 席を立つ。/ _5_真一 「ごちそうさんでした。」>マスター/ _4_紡生(人形) 「あ、もうこんな時間ですか? 私も戻ります」 _4_紡生(人形) 「それじゃあ、おやすみなさい」パタパタと両手を振った/ _5_真一 「帰宅時間ゼロか。そこんとこは羨ましいな。」/ _5_真一 「じゃ、おやすみ。」退店します。/ _4_紡生(人形) くたりと人形から力が抜け落ち、同時にばらばらにほどけてハンカチへと姿を変えていく _4_紡生(人形) 元通りに戻ったハンカチたちは、すうっとカウンターの奥へと舞って行った/