有希 風から逃げるように、慌しくドアを開けて入り。 有希 「こんばんは。…外は寒いのね」腕をさすりつつ、挨拶をして席につく/ _4_有希 「ウィスキー・・・、−あぁ、やっぱり温かいものが良いわね。」気が変わって暫し悩む _4_有希 「んー、ホットコーヒーにするわ、やっぱり。」苦笑しながらテーブルに手を置いて、コーヒーが出てくるのをまつ/ _4_有希 コーヒーを受け取ると一口飲み、どこからか薄い毛布を取り出して肩に羽織る/ _4_有希 暫くぼーっとしながら店内のBGMを聴いている。 _4_有希 ふぅ、と軽く一息つくと、また何処からか薄いパンフレットのような冊子を取り出し _4_有希 カウンターに置いてそれをじーっと眺めては、うーんと唸っている/ _4_有希 「…ちょっとね、どれにしようか迷ってしまって。」 _4_有希 「そもそもこの中から選んで良いのかも、まだ決めかねているのだけれど」 _4_有希 マスターに問われて見せたのはオルゴールのカタログ。 _4_有希 「自分の事なら早く決められるのよ。…でも、こういうのは凄く迷うわね。」 _4_有希 「え?嫌じゃないわよ。今まで殆どそういう経験が無いものだから」 _4_有希 「『全くの私としての時間は無いと思え』なんて、うんざりするほど聞かされたわ。」座り直し、少し声色を変えてみせる _4_有希 「まぁ当たり前だから、別に困ることなんて無かったけれど。…えぇ、こういう時が来なければ、ね」 _4_有希 / _4_有希 ちびちび飲んでいたコーヒーが切れた所で、席を立ち。 _4_有希 「ご馳走様。またお邪魔するわ」と挨拶 _4_有希 「…えぇ、今度来る時までには良い物が決まっているといいけれど」微笑してうなづき _4_有希 手を小さく振ってその場から消えてゆく。 _4_有希 /