_4_真一 (カランコロン)「……。」 _4_真一 「ウォッカベースで。あんまり甘くない奴。ちょっと強めで。」通なようでそうでもないオーダー>マスター _4_真一 出された酒を一気に飲み干してしまう。 _4_真一 「すんません、もう一杯。」 _4_真一 ……というようなことをあと三度ほど繰り返す。 _4_真一 強くもないので、当然、回る。 _4_真一 (あ〜。) _4_真一 テーブルに肘をついたままくらりと頭を垂れ、肩を落とす。 _4_真一 「新人、入ったらしいですね。」 _4_真一 「こちとら手をこまねいてぬくぬく生きてる内に、何人か死んで何人か入って。プラマイゼロで世はこともなし、ですか。」 _4_真一 「しかし魔獣は確実に減ってる。騎士の戦力が減ってないなら喜ばしいことですよね。」全然うれしくなさそうな顔で。 _4_真一 「10年ですよ。」 _4_真一 「10年やってきたけど、全然楽にならないんですよ。なんでですかね?」 _4_真一 「人生の半分近く、こっちに籍を置いてるんだけどなぁ……。」 _4_真一 「……密度かなぁ……。」 _4_真一 「やっぱり年一回の戦闘じゃ、民間人根性は抜けないんですかねぇ。」 _4_真一 「年に一回チャンバラやって、神経すり減らして敵を殺して。」 _4_真一 「死なせずに済んだと思った女の子は結局俺以上に戦ってて、別の戦場であっさり死んで。」 _4_真一 「これ美味しいですよ。もう一杯。」 _4_真一 「状況に文句言うんだったら、やっぱり一度でも多く戦いに出て、一匹でも多く狩らなくちゃいけないんでしょうね……。」 _4_真一 「あ〜。」 _4_真一 「無責任だにゃぁ……」くてっ。 _4_真一 「世界は良くなるのかねぇ……。」 _4_真一 「いや。分かってますよ。俺一人でどうなるもんでもないでしょーよ。」 _4_真一 「でも、寄与できるもんならしたいですよね……。」 _4_真一 「ああ、愚痴ばっかりですいませんでした。」 _4_真一 「でもね、俺より若いのばっかりの騎士の前でここまでぶっちゃけられないじゃないですか。」 _4_真一 「日常生活じゃ話題にも出来ないし。」 _4_真一 タメイキ。 _4_真一 「ごちそうさまでした。」 _4_真一 出て行きます。/