_9_天音 かららん、と扉が開くとともにベルが鳴り、背の高い少女が入ってくる。 _9_天音 綺麗だが履き慣れた様子のスニーカーにジーンズ、黒のTシャツの上にデニム地のシャツという化粧っ気のない出で立ちで、 _9_天音 わずかに眉を寄せた険しい表情で扉を閉め、ポニーテールにまとめた長い髪をかすかに揺らし、店内を見渡した。 _9_天音 「ここが、BARマーリンですか」/ _9_天音 すたすたと歩いて、手ごろな席に着席 ユート かららん、という音と共に長身で細身だが割りとがっしりとした体つきの銀髪男性が入ってくる/ _9_天音 着席する前にマスターに一礼/ _1_ユート 「…マスター、飯」そう言いながら手ごろな席に座る。何故か端っこ/ _9_天音 一瞬だけ視線を走らせ、ユートの姿を捕らえる。が、すぐに視線を戻す。 _9_天音 「ここでは大抵のものは注文できると伺いましたが、濃茶とわらび餅は、お願いできますか。」淡々とした口調でマスターに問いかける/ _1_ユート マスターが出してきたスパゲッティを無言で食べる/ _9_天音 「そうですか。では、お願いします。」マスターの答えに小さく頷いた。/ _9_天音 「あ、わらび餅はそのままで。えぇ、甘味はいりません。」ふと思い出したように付け加える/ _9_天音 「ありがとうございます」固い口調でお茶とわらび餅を受け取る _9_天音 「いただきます」小さく一礼して、楊枝で素のままのわらび餅をひとつ、口の中へ。 _9_天音 よくかんで味わい、飲みこんでから、お茶を一口/ _9_天音 特に何を言うでもなく、同じように餅を食べては、お茶を飲み。/ _1_ユート 背筋をピシッと伸ばして行儀良く食べている/ _9_天音 「ごちそうさまでした」小さく一礼し、スッと席を立つ。 _9_天音 スタスタと自然な足取りで扉まで歩き、振り返って小さく一礼。 _9_天音 扉を開け、店を出て行った/ _1_ユート 「ふう…さすがに朝から何も食べてないと意識飛びそうになるな…」 _1_ユート 「給料日前なんだよマスター。うちは月末処理で少し遅いんだ」 _1_ユート 「っと、先客が居たのに悪いことしちまったな。俺も帰るわ」席を立って、そのまま外に出て行った/