_静 軽やかにドアベルを鳴らして入店「こんばんわ。……マスター、とりあえず……ちょっと遅いけどボジョレーを赤白ロゼ一杯ずつ」注文しながら席につく _静 並べられた三杯のグラスをまず光に透かし、香りを嗅ぎ、口を付ける _静 「……ま、こんなもん……よね」味覚障害の影響で味の細かな違いは感じられないが、喉を潤す役には立つ _静 「……で、スピリタスとそうね……今日は味噌おでんを頂こうかしら。よろしくね、マスター」/ _shizu -> _5_shizu _5_静 赤茶色に染まった豆腐と玉子を肴に、スピリタスをストレートで呑みすすめる _5_静 「……このくらいハッキリしてないと分かんなくなっちゃったか……ま、それもやむなし」/ _5_静 水のようにスピリタスを喉に流し込み、味の濃い摘みをもぐもぐと頬張る _5_静 「……マスター、味噌煮込み饂飩作ってくれます?」追加注文/ _5_静 出てきた饂飩を啜りながら、のんびりと店内に流れるジャズのメロディに耳を傾ける/ _5_静 「……ここまで味噌尽くしだと、次は味噌串カツを10本ほどお願いしようかしら」スピリタスを呑みながら/ _暁 軽やかなドアベルの音と共に「こんばんわ〜」とボストンバックをもった状態で入店。 _暁 店内を見渡し静に気づき「こんばんわ、お久しぶりです」といって席について、足元にボストンを置く/ _akira -> _6_akira _6_暁 「マスター、梅ワカメうどんと煎茶をお願いします」/ _5_静 「こんばんわ。若者は今日も元気ねぇ」微笑みながらグラスの中の透明な液体を一口。赤茶色の串カツを囓る/ _6_暁 「ちょっと集中して作業をしてたらこんな時間になっちゃいまして…」苦笑しつつうどんを啜る/ _5_静 「まあ、人生色々経験しておくと後々で役に立つこともある、かもね」ニヤニヤ/ _6_暁 「色々…」視線をボストンに一度移してから _6_暁 「そうですよね。祖父にも言われたんですけど、過去を振り返ったときに楽しい思い出になるような経験はたくさんつんでおきなさいって」 _6_暁 笑顔で「例え、今役に立たなくても、と」 _6_暁 / _6_暁 「きっと後々役に立つことって結構あると思うんですけど…テスト勉強って何に役立つんでしょうね…」 _5_静 「そうそう……その時は何でこんなことしてるんだろう?って思うことほど、役に立ったりするのよねぇ」笑ってスピリタス一口/ _6_暁 若干うつろな目になりつつ、ゲッソリ、とした雰囲気でうどんをモグモグ/ _5_静 「テスト勉強ねぇ……そうねぇ、時と場合によっては意味がないと思えることもしなくちゃいけないとか、我慢を覚えるとか……あと、競争意識もつくんじゃない?」/ _6_暁 「なるほど…我慢…忍耐力をつけるってことですよね」 _6_暁 うつろな目に光が戻り、生気も戻った様子で/ _5_静 「まあ、学校英語が現地では役に立たないとか、数学なんて分数小数の四則演算できれば普通の生活には充分とかいうこともあるけどね」意地悪そうな笑顔/ _6_暁 「あ、それは聞いたことがあります。テスト英語と会話英語は違う、ですよね。後、テスト秀才ってのも」/ _5_静 「実際、向こうでは単語だけで、後は身振り手振りでも通用するってのも事実だしねぇ」クィッと一口/ _6_暁 「それだけで通じるんですね」感心したような様子で静を見つつ _6_暁 (そういえば、修学旅行のときも皆そこまで困ってなかったっけ…僕は《森羅》があったらわからなかったけど)/ _5_静 「寧ろ、行き先の法律と常識、自分の目的に必要な単語だけはしっかりと覚えて行かないと……場合によっては、ね」意味ありげな笑み/ _6_暁 「なるほど…確かに値切るために必要な単語だけは皆叩き込んでました」納得がいった、という表情で/ _5_静 「……平和ねぇ」笑って串カツを囓る/ _6_暁 「いえ、値切るのは戦いです。安くていい物を買うための」うどんを食べ終り、かなり真面目な表情で/ _5_静 「ま、命まで取られるわけじゃなし。やりたいようにやれば良いんじゃないかしらね。私の知人は結局骨壺になって帰ってくることも少なくなかったけど……ね」溜息/ _6_暁 一瞬目を大きく見開いた後、少し視線を彷徨わせながら言葉を捜しているのか若干口を開いたり閉じたりしながら _6_暁 「えっと…あ、忘れてた」といってボストンをあさって箱をとりだし _6_暁 「修学旅行のお土産です」といって菓子の箱を静にわたします/ _5_静 「ありがと。ちなみに、さっきのは忘れて構わないから」受け取りつつ優しげな笑顔で/ _6_暁 「え、あ、はい。その…ありがとうございます」ペコリ、と頭を下げつつ静の笑みに頬を染めながら/ _5_静 「それじゃあ、今度は何かお返しでも用意しておくわね。手作りのお菓子とかになると思うけど」そう言うと、グラスを空け、席をたつ _5_静 「では、マスター、上杉君、お休みなさい」軽やかな足取りで店の外へ/ _6_暁 「はい、ありがとうございます。おやすみなさい」 _6_暁 出て行く静の後姿を見つつ、ポツリと、呟いた本人でさえ無意識に _6_暁 「………ねーちゃん」 _6_暁 コトリ、と置かれたホットミルクに意識が戻り、マスターとカップを何度か視線を往復した後 _6_暁 「ありがとうございます」 _6_暁 チビチビと飲みながら(姉がいたら、静さんみたいな感じなのかな…)どこかぼんやりしつつ飲み終わり _6_暁 「ご馳走様でした。おやすみなさい」 _6_暁 ボストンをもってゆっくりした足取りで店の外へ/