_煉 からん。徐に扉を開け、誰も客のいない店内へと身体を向ければ、僅かに物珍しげに視線を彷徨わせ _煉 しかし、それもつかの間のことで、適当な椅子に腰を下ろすと「珈琲、」とのみ注文を口にし/ _Len -> _5_Len _5_煉 思い出すのは、つい先日の出来事。小さくもらした溜息は沈黙に滲むように消え、 _5_煉 取り出したココアシガレットを咥えるようにして視線を遠くへ向け/ __真昼 (からんからん)マフラーと厚手のジャケットに身を包んで入店「こんばんわ。一段と冷えてきましたねえ」/ _5_煉 入ってきた声と姿に、横目を向けて確認し――ふと、背筋に氷が滑り落ちたような奇妙な錯覚を覚え。 _5_煉 顔は覚えていない。だが、それ以上に何か嫌なものを身体が覚えている気がして、僅かに表情をゆがませ/ __真昼 その様を見てにこにこ笑いながら「やあ、お久しぶり。」>れんれん/ __Mahiru -> _7_Mahiru _7_真昼 [] _7_真昼 「マスター、セイロンティーを。」/ _5_煉 「……誰だ…?」 元より他人への興味が薄い性格に重ねて半年の歳月を経たということもあり、相手の存在自体はすっかり忘却の彼方にある様子で。 _5_煉 しかし相手の反応から顔見知りではあるのだろうと推測付けながらも率直に疑問を投げつけ/ _7_真昼 「“鶺T”識嗣真昼」笑顔を崩さず、「君は?」/ _5_煉 「……<悪魔>の騎士、鴉丸煉」 こちらも仏頂面を崩すことはなく、名前を告げ/ _7_真昼 (ああ、あの鴉丸の)「そうか。改めてよろしく^^」片手をだし、握手を求めよう>れんれん/ _5_煉 「……」 暫しの沈黙、差し出された手に視線を落とした後、そのまま視線を背けてしまいます。/ _7_真昼 「つれないねえ」苦笑しつつ「男とは手を握らないタイプかい?」/ _5_煉 「……その行為に必要性が感じられないだけだ」 視線を逸らしたまま、珈琲を口につけて/ _7_真昼 「可愛いねえ。」くすくす笑って「ま、そちらから握手を求めるようになるまで頑張るとするよ」/ _5_煉 何言ってんだコイツ、といわんばかりの目線を投げつつ、言葉を返すことはなく。 _5_煉 とはいえ、やはり何か引っ掛かるものを思い出せてはいないのが気持ち悪く感じられ、また一口と珈琲を飲み/ _7_真昼 「しっかし寒くなってきたねー。そっちは寒いの平気な方?」>れんれん/ _5_煉 「……別に。行水のとき以外は大したことはない」/ _7_真昼 「言い回しが古風だねえ。」<行水 「それとも実際にやってるの?水汲んで上からぶっかける奴」>れんれん/ _5_煉 「……最低限の潔斎は、しているが」 淡々と応えて/ _7_真昼 「あれ後で風邪ひかないように対策とかしてるの?すぐこたつ入るとか」>れんれん/ _5_煉 「直後は祝詞を詠む。対応は、その後だ」 こたつ、の言葉には眉間に皺を寄せつつ/ _7_真昼 一考し「………絵が想像し難いなあ」/ _5_煉 珈琲を飲み干し、追加を頼みつつ眉を顰め「……どういう意味だ」/ _7_真昼 「だって君、すげーヤンキーっぽいし。イライラしながら夜の路地裏うろついてそうだし。神職務めてるようには見えないからねえ」 _7_真昼 「……ギャップか」/ _5_煉 その性格と外見上、そういった類の言葉はとうに言われ慣れてはいるものの、睨みつけるように目を細め真昼を見据えつつも、 _5_煉 チッと小さく舌打ちを漏らし 「Shit head. 吐かしてろ。」/ _7_真昼 「ほら、そうやって悪口で言い返す。そのあたりが誤解を生む原因じゃない?」/ _5_煉 「…興味ねェんだよ、」 ただでさえ人相の悪い顔を眉間の皺で一層悪くしつつ/ _7_真昼 (ヤバイ。この子マジおもろいわー) _7_真昼 「ふぅん、じゃ何になら興味持つわけ?」くすくす/ _5_煉 面白がられてる事実に苛立ちを抱きながらも、 _5_煉 「オレが興味を持ったモノ。それだけだ」とだけは応えて、顔を背け/ _7_真昼 「nn,」 _7_真昼 「じゃ、雪見だいふくとかどうかね?」と言って箱を取り出し、紙で丁寧に包装された大福を渡します<興味?>れんれん/ _5_煉 「……ふざけてんのか?」 何事かと包装された大福へと視線を落として/ _7_真昼 「興味無いのかい?前に他の人が持ってきたのを物欲しそうに見ていたけど。」>れんれん/ _5_煉 「……前?」 いつの話だ、と口を開きかけたところで不意に言葉が止まる。 _5_煉 脳裏を過ぎるのはいつぞやの忌々しい黄色の巨大な物体。それを自分に食べさせたのは、誰だったか――。/ _7_真昼 「どうしたの?あーやっぱり好きなんだね和菓子ククク。」/ _5_煉 「……手前、あの時の野郎か…」 ギリ、と喉を鳴らして笑う相手を睨むように低く呟いて/ _7_真昼 「どうする?食べない?」れんれんの対応には全く動じず/ _5_煉 「要らねェよ」 低く、威嚇するように言い切る形で返して/ _7_真昼 大福をしまいつつ、「なんというかアレだな、君は犬っぽいな。キャラが」/ _5_煉 「あ゛ァ?」 腹立たしさを何とか抑え込み、表情をゆがませ/ _7_真昼 「信用できない相手、得体のしれない存在には決して靡かず牙をむく。反対に、敵意の無い相手にはかなり無防備だな、見ていて面白いくらい隙が多い」くすくすと/ _7_真昼 「とても素直で、いい子だ。……気に入ったよ。じゃあね」席を立ち、退店します。/ _5_煉 「――五月蝿ェよ」 笑い声に不愉快げに言葉を吐き捨てれば、苛立ちを隠さず。 _5_煉 しかし、反論を返そうとした刹那に携帯が小刻みに振動すると、正しく水を注されたかの如く一気に鎮火し、 _5_煉 携帯をポケットから無造作に取り出しては舌打ちを。 _5_煉 その間に横をすり抜け、店を後にする真昼の背中を暫し睨んだ後、コートを掴み、己もその場から立ち去り/