悠香 からんからん、とドアベルを鳴らして店内に入ってくる 悠香 「うう、少し無茶をしすぎたわ。マスター」 悠香 「程よく眠気が覚めそうなコーヒーを一杯頂戴」/ *nick Yuuka → _5_Yuuka _5_悠香 「……あ、コーヒー? ありがと」と少し眠そうにコーヒーを受け取る/ _イブ かららん♪ _イブ 入店したイヴは、悠香を目にすると上品に頭を下げて挨拶する _イブ 「こんばんは、悠香さん」にっこり _イブ 「お隣、よろしいかしら?」/ _5_悠香 「……え? ああ、構わないわよ」うとうとした状態からはっとしたように/ _イブ 「どうも、ありがとう」にっこり *nick _ib → _6_ib _6_イブ 「マスター、紅茶が飲みたいわ」座りながら _6_イブ 「悠香さん、少しお眠い感じかしら?」/ _5_悠香 「ええ、ちょっとね。今日提出する課題に昨日気づいて徹夜でやった後そのまま講義を受けたものだから、その反動が今更来たみたい」/ _6_イブ 「そう……それは大変だったわね……」 _6_イブ 「悠香さん……大学って、楽しい?」/ _5_悠香 コーヒーをぐいっと飲み干し、マスターにカップを差し出しておかわりを要求した後、 _5_悠香 「……私の場合は家の体面を両親から離れる口実にしただけだから、純粋に楽しいとは言えないわ」 _5_悠香 「だけどまあ、自ら学ぼうという意思がある人にとってはそこそこ楽しいんじゃない?」 _5_悠香 「世界を言わず、日本ですら様々な人がいるって事を認識させられる事もあるしね。余り人付き合いはしないけれど、そう言う話を聞いたわ」/ _6_イブ 「そうなのね」 _6_イブ 「様々な人って、悠香さんはどんな人と出会えたの?」/ _5_悠香 「……だから、私はあまり人付き合いをしないと言ったじゃない。それに近い体験をしたのは、円卓の騎士に入ってから」/ _6_イブ 「騎士は確かに、色々な人がいるものね」にっこり _6_イブ 「私も、騎士にはちょっとだけ驚かされる事が多いわね」/ _5_悠香 「大学生の中にはサークル活動をやる人もいるみたいだけど、私はあまり興味をそそられなくてやってないのよね……やりたい時にやりたい事をやるのが一番だもの」/ _6_イブ 「自由人ね、あなた」 _6_イブ 「何にも縛られないというのも、結構お得な性格だわ」にっこり/ _5_悠香 「縛られない、というより縛られたくないだけよ。自分が許せる範囲なら……間接的に自分が雁字搦めにならない為なら法律や規則、決まり事を守る事もやぶさかでないし」/ _6_イブ 「ええ、それがいいわね」 _6_イブ 「自由という言葉を変に勘違いして、法律や規則を守る方が問題だものね」/ _6_イブ 訂正、法律や規則を守る方が問題→法律や規則を蔑ろにする方が問題/ _5_悠香 「ま、私は常に守るとも言ってないけど……責任はきちんと取るわよ。それが『自分で選んだ事』だからね」 _5_悠香 「もっとも……あくまでもそうありたいと思っているだけで、実際そういう風に行動出来ないかもしれないけど」/ _6_イブ 「へぇ、その精神はご立派だわ」にっこり _6_イブ 「でも、そういう風に行動出来ないかもしれないって事は、自制心は少しだけ自信がないって感じかしら?」/ _5_悠香 「そりゃね。最後に引き金を引くのは自分。だけど、全知全能の神ならぬ身だもの。その責任がどこまで膨れ上がるのかはわからないし」 _5_悠香 「求められた代償次第では尻込みしてしまうかもしれない。……幾ら力が強くても、それが常に有効な強さだなんて考えられる程愚かじゃないもの」/ *nick entyu → ToyBox _6_イブ 「強引に力を行使しても、自身の破滅を導くものだものね」 _6_イブ 「あなたの場合は、結構強引な力を使い方をしてもなんだかんだで切り抜ける気がしてくるけど……」/ _5_悠香 「んー、言いたいことが少しズレてるわね。言い換えるなら幾ら力が強くても、例えば心が試される時に役に立つかどうかはわからない、ということよ」/ _5_悠香 「私にはひとつ心当たりがあるからね。そんな問題とそのうち対峙する羽目になるんじゃないか、って思うと怖いものがあるわね」と微笑む/ _6_イブ 「なるほどね……」 _6_イブ 「その怖いものに立ち向かう覚悟はどれぐらいできているかしら?」/ _5_悠香 「……さあね? その時にならないとわからないわ」あっけらかんと/ _5_悠香 「でも、避けては通れない問題ではあるわ。幾ら怖くても、あれは私が騎士である事を辞めるだけの理由にはならないから」/ _6_イブ 「ちなみに、その怖いものとは何か聞いてもいいかしら?」/ _5_悠香 「実家、かしらね。こればかりは自分で解決しないといけないし、その為にこれまで頑張ってきた事でもあるけど」/ _6_イブ 「複雑なご家庭事情?」きょとん/ _5_悠香 「まあね」/ _6_イブ 「それは大変ね……」 _6_イブ 「悠香さんのご家庭って何してらっしゃるのかしら?」/ _5_悠香 「何、と言われても。普通に表の世界で商売をしてるだけよ。代々引き継いできた資産を元手にね」 _5_悠香 「特に家の両親は『普通』の人だし、闇の世界と関わる機会も無ければ関わる気も無いと思うわ。兄を立派な跡継ぎにしようってご執心だし」/ _6_イブ 「ご両親は、悠香さんが竜である事を知らないの?」/ _5_悠香 「それは勿論。円卓の騎士に入ってる事すら知らないはず……あっちが気にしてるのは、私の成績くらいだから」/ _6_イブ 「そう……ますます複雑になりそうね」 _6_イブ 「それでも、こちらの世界の事はあまり表の世界に漏らすわけにはいかないものね」 _6_イブ 「でも悠香さんは、それでいいのかしら?」/ _5_悠香 「何が?」/ _6_イブ 「自分の正体を両親に、一生隠す?」/ _5_悠香 「別に、そういう事になったらそれはそれで構わないと思うけど?」 _5_悠香 「あの人達に正体を隠している事について、引け目は一切無いわ」きっぱり/ _6_イブ 「それでこそ、立派な闇の世界の住民だわ」にっこり _6_イブ / _5_悠香 「そっちはそう言う困り事は無いの?」/ _6_イブ 「私はこれでも一応、退魔のプロだもの」 _6_イブ 「闇の世界に関する秘匿の事で悩んでなんていられないわね」にっこり/ _5_悠香 「悩みがないって平和で羨ましいわ」/ _6_イブ (……悩みがないと解釈されたけど、闇の計画の事でいつも結構悩んでいるわね) _6_イブ (まぁ、悩みがない事で話を進めていいかしらね) _6_イブ 「悩みは、ひとつずつ解決していけばいいだけだものね」にっこり/ _5_悠香 「ピンチもチャンスも準備が整っていないうちに来る、というし」/ _6_イブ 「そこは、いつでもチャンスをものにしてしまうのが成功の秘訣ね」優雅に紅茶を飲みながら _6_イブ / _6_イブ 「ピンチも同じように、いつでも対処できるように早めに準備を整えるのもいいかもね」/ _5_悠香 「……ふぅ、また眠気が来たわ。マスター、コーヒーおかわり」/ _6_イブ 「眠気って……大丈夫?」/ _5_悠香 「家まで帰れればどうにかなるわ。ここでゆっくり休んでるだけでも大分違うしね……ちょっとうとうとしちゃうけど」/ _6_イブ 「帰ってる途中で寝たりしないわよね」ジト目/ _5_悠香 「そうならないために、ここでゆっくりしてるのよ」/ _6_イブ 「そう……。では、私はそろそろ行くわね」 _6_イブ 「またね、悠香さん」にっこり _6_イブ 悠香さんに手を振って退店/ _5_悠香 「はい、さようなら」 _5_悠香 「さて、私もそろそろ出るわね。おやすみなさい」と退店/