有希 「こんばんは。――今日は誰も来ていないのね」 有希 「ええ、久しぶりかな。 ほら、結婚したのに毎週のように呑みにくるのも不健全でしょう?」 *nick yu- → _4_yu- _4_有希 「ウィスキーを、ロックで。」  マスター 「かしこまりました」 マスター 「どうぞ」>ウィスキー マスター / _4_有希 グラスを受け取り、「いただきます」 _4_有希 一口飲み、嬉しそうに息を漏らす _4_有希 「うん、やっぱりたまにはこういうのも必要よね」/ 悠香 からんからん、とドアベルを鳴らして店内へ 悠香 「こんばんは」と言いつつ、鬱陶しげにサングラスを取る。 悠香 「ふう、慣れんな……マスター、まずは水を一杯」/ *nick Yuuka → _6_Yuuka マスター 「いらっしゃいませ」といって水を差しだす>悠香 マスター / _4_有希 「こんばんは。 外は随分と日差しが強かったようね?」 慣れないサングラスをかけている様子を茶化し/ _6_悠香 「ありがとう」と水を受け取り、 _6_悠香 「日差し? いや、目の色が変わってしまってな。皆私の目を見ると驚くから、サングラスを掛けることにしたんだ」と軽く照れ笑い。目の赤みが少し増す/ _4_有希 「カラコンなんてものもあるんだから、夜中にそんなものかけなくたって良いでしょうに」くす、と _4_有希 「それほど久しぶりでは無い気がするけれど、色々あったようで、見違えたわね」 外見は然程変わりはないはずであるが/ _6_悠香 「カラコンはサングラス以上に慣れん。だからまずはサングラスから頑張っているんだ」とため息を付きつつ _6_悠香 「そちらも元気そうで何より。まあ、確かに色々あったが、私が自分で選んだ道だからな」/ _4_有希 「自由が貴女のテーマだものね。 見ていて飽きないから私は好きよ」 _4_有希 「マスター、もう一杯。 …ほら、何か頼んだら?」早々に空にしたグラスを掲げつつ/ _6_悠香 「ふむ。そうだな。私は……酒は辞めておこう。チキンドリアを頼めるか、マスター?」/ _6_悠香 「そういえば、そっちは結婚したんだったか? 生活の方は順調か?」/ _4_有希 「ええ、おかげさまで。 結婚したからといって、これといった変化はないけれど」 _4_有希 「――あぁ、旦那様には所帯持ちのプレッシャーは与えられるようになったかな?」/ _6_悠香 「ふふっ、順平君も大変だな」と全くの他人事なので呑気に微笑む。 _6_悠香 「しかし幾ら大した変化が無いと言っても、何か少しくらいは変わった事があるんじゃないか? 例えば……そうだな、家事とか料理とか」/ _4_有希 「うーん? 半同棲のような期間があったから特には……。流石に恐る恐る料理を食べられることはなったかな?」/ _4_有希 ↑訂正「なったかな」→「なくなったかな」 _4_有希 「で、悠香ちゃんはどうしてそうなったの? 紆余曲折、いろいろとあったんでしょうけど。」/ _6_悠香 「そうだな、何から話せば良いものか……まあ、死なないように選択していったら、こうなっていた。端的に言えばそうなるな」少し眼の色が赤くなる/ _4_有希 「そんなに体調悪かったの? まさか魔獣でもなく殺されて死ぬような貴女じゃあないでしょう?」/ _6_悠香 「私の魂の焔の力が種火にしていたもの、それが私の生命力だった。極々僅かだったから、最初は気づかなかったが」 _6_悠香 「最近は退魔師の真似事みたいな事もしていたから、使う機会には事欠かなかった。気がついたら、危ないところまで来ていた」 _6_悠香 「私が私を殺そうとしていたのさ」と自嘲気味に/ _4_有希 「へぇー。リスキーな力の使い方してた、ってことはわかったけど、それが全て丸く収まるほど都合の良いモノでも見つかったの?」気楽な様子で/ _6_悠香 「一応問題は解決した……ように思うんだが、多分そうではないんだろうな。作った奴の目的も判らん以上は」 _6_悠香 「目の色も変わってしまったし、この前は『化物』と言われてしまった。ちょっとブチ切れただけで、まだ竜人に変わったわけでもなかったんだが」 _6_悠香 その時の事を思い出したのか、眼が人のそれから爬虫類系のそれに一瞬だけ変化する/ _4_有希 「そんな怪しげなモノに頼るってことは相当切羽詰まってたのね、可哀想に。 言ってくれたら助けてあげたのに」 くす、と _4_有希 「普通の人が貴女みたいなのに怒気を向けられたら、その反応は至極当然じゃないの。 どうみたって化物だわ」 / _6_悠香 「……考えなくもなかったが、ろくな事になる気がしないので辞めたんだ」>助けてあげたのに〜 _6_悠香 「有希まで私を化物というのか、私の繊細な心は傷ついてしまうぞ」と軽く茶化す/ _4_有希 「御名答。でも、戦えなくなるよりマシでしょう?」<ろくな事になるきがしない _4_有希 「――あら、正真正銘の化物に向かってその台詞は失礼ってものよ?」 口調は冗談そのものであるが/ _6_悠香 「そうだな。もしかしたら頼る事もあったかもしれないが……ふむ……?」少し訝しむ感じになる。その後、 _6_悠香 「私は有希が本物の化物だとは思わないが……まあ、こういう口説きは旦那様の特権だ、程々にしておこう」と笑いかける/ _4_有希 「別に卑下しているわけではないのよ? 人間様がそんなに魅力的なのかと言っているのよ」 _4_有希 「貴女はその綺麗な龍眼で、人だの闇のものだの、下らない話だと一笑に付すくらいが丁度いいのではなくて?」/ _6_悠香 「……そうだな。でも、私は人間として育ってきた。……きっと、未練があるんだろうな」 _6_悠香 「何となく、そこまで捨てきれないんだ。有希が羨ましいと思う。けれど、そこに今の私じゃまだ辿りつけない……」 _6_悠香 「きっと、今直ぐその境地に至ろうとすれば、私は私でなくなる。そんな気がするんだ」/ _4_有希 「そんな大層な話ではないと思うけれど、まぁ、いいわ。」  _4_有希 「人として育ってきたことを肯定するのなら、親に感謝しなければね。 少しは実家とも仲良くなったの?」/ _6_悠香 「いや? そういう訳ではないが。ゴタゴタも終わって、他人事のように実家を見れるようになるとな……何だか養父も哀れになってな」 _6_悠香 「あの一件でトラウマがずっと刺激されているらしくて、養母が愛想を尽かして離婚した」/ _4_有希 「あら。それじゃ、愛しのお義兄ちゃんも大変ね。」/ _6_悠香 「ああ。だが、兄を見ていると人のたくましさを実感させられる。負けていられないと思うよ」 _6_悠香 「何も知らなかったのは私と同様のはずなのに、それでも表の事業と裏の事業を背負いこんで再興を図っている」 _6_悠香 「……何だか、私ばかり話してしまっているな」/ _4_有希 「良いじゃない、私は悠香ちゃんの話聞くの好きよ。 嫌じゃなければ好きに話して」  _4_有希 「ただの勘だけど。 お義兄さんも、貴女がいるから頑張れているところもあるかもしれないわよ?」/ _6_悠香 「そうか……?」少し嬉しそうに言う。 _6_悠香 「そうだ、有希には兄弟とかは……居るのか?」途中から恐る恐る聞く/ _4_有希 「ええ、それなりの数は居るわね。血を絶やすと面倒なことになるから」/ _6_悠香 「そうか、有希は王女様だっけ? 誰か印象に残る兄弟姉妹とかは居たのか?」/ _4_有希 「うーん。全員腹違いだし、あまり一般的な兄弟姉妹関係はあてにならないと思うけど。 もちろん全員覚えてはいるわよ」/ _6_悠香 「全員腹違いか……なら、私と兄の関係と似たようなものだな。もっとも私の場合は、母も父も違うが」 _6_悠香 「しかし、全員って……兄弟は何名くらい居るんだ? 絶やさないように、と言うことは結構な数が居るように思えるんだが」/ _4_有希 「とはいっても、人間ほど繁殖力は強くないからなぁ。 男が8人に、女は私を含めて5人ね」 虚空を見つめ、思い出すように/ _6_悠香 「王子王女が十三名……成る程、確かに結構な数だ。多いように思えるけれど、少なくなってからでは手遅れって事か」/ _4_有希 「数百年頑張って一人産まれるかなー、ってところだから、多いに越したことは無いってこと。 どうしようもないクズが残っても問題だから」/ _6_悠香 「数百年か……やはり人間とはスケールが違うな」 _6_悠香 「しかし、それだけ居ると王位を継承する時揉めそうだな。魔界には有希くらいの実力者がゴロゴロしているのか?」/ _4_有希 「まさか。逆よ逆。 わざわざ私が出張らなくちゃいけないくらい人手不足」 _4_有希 「考えてもみてよ。要人が戦場に出てる時点で可笑しいでしょ?」/ _6_悠香 「確かに。ファンタジーか、あるいは現実でも兵士の鼓舞とかで出てくる場合もあるようだが……最近では前に出てくる方が珍しいだろうな」/ _4_有希 「あいにくと暴力が強いものが支配するような世界じゃないんでね、王族にそんなの求められてないのよ」<鼓舞 _4_有希 「それにしても悠香ちゃん、丸くなったわね」 にやりと笑ってまじまじと見つめる/ _6_悠香 「ん、そうか? むしろ、魂の焔関連の事で、口調がおかしくなってしまって困っているんだが」と軽く困惑しつつ、有希から視線を外すように/ _4_有希 「口調なんて些細な事よ。素直になったなぁー、って。 反抗期の止んだ娘を見る親の気持ちってこんな感じなのかしら」/ _6_悠香 「反抗期って……まるで母親だな。まあ、有希に感謝はしているが」/ _4_有希 「感謝とか――頼子みたいな事言うのね。」 呆れたように笑いつつ席を立つ/ _6_悠香 「ああ、感謝はしている。本当だ。有希が私に話しかけてくれなければ、今更どこかで一人寂しく野垂れ死にしていたかもしれない」と軽く肩をすくめる _6_悠香 そして席を立った有希を見て時計を確認し、慌てて立ち上がる _6_悠香 「おっと、もうこんな時間だ。済まないマスター」/ _4_有希 「……マジで言ってそうだから気持ち悪いわ。」呟き。 「それじゃ、お先に。ご馳走様」 虚空へ姿を消す/ _6_悠香 「本気で言っているんだが。おっと済まない。さっさと退散するよ。ではな、マスター」と言ってサングラスを付けて退店/