悠香 カランカラン、とドアベルを鳴らして入店 悠香 「こんばんは……マスター、水をちょうだい」と言いつつふらふらと席に着く/ *nick Yuuka → _5_Yuuka _5_悠香 「ちょっと気分が、ね。働きすぎかなあ」身体をグイグイと伸ばしつつ、マスターから水を受け取る _5_悠香 「今日は静かだね。……口調? あれ、本当だ。元に戻ってる。本当に疲れてるのか……あるいは」少しマジな目になる _5_悠香 「あ、いや、大丈夫大丈夫。幾ら人が居ないと言っても、BARの中で騒ぐつもりはない。気を引き締め直そうかな、と思っただけだ」/ _5_悠香 「……ふう。とりあえず水はもういいかな。きつねうどんを一つ」/ _5_悠香 「本当に、今日のBARは穏やかだ。嫌な事も紛れる気分だな」/ 有希 「こんばんは、夜は冷えてきたねー」 マスターにそういって笑いかけ。店の奥へと進む/ _5_悠香 「ん、こんばんは」>有希/ 有希 「こんばんは。 あら、あったかくて美味しそう、いいわね」 悠香が食べているうどんをさしつつ/ *nick yu- → _4_yu- _5_悠香 「そろそろ寒くなってきたしね」と少しだけ横にずれて有希が座りやすいようにする/ _4_有希 「あ、でもロックでお願いね」マスターにはいつもどおりの注文をし。「そうねー。でも悠香ちゃん、能力的に寒さなんて感じなさそう」/ _5_悠香 「そりゃ寒さが辛くなったらどうにかするけど、私の周りだけポカポカ陽気だと幾ら何でも怪しまれるでしょ」と言いつつ、名残惜しげに油揚げの一欠を口に運ぶ/ _5_悠香 「有希の方は寒さはどうなの? 温めて貰ってる?」と茶化すように/ _4_有希 「ええ、2人で居ると寒くても平気なの・・・って、言えばいいかな?」 くす、と笑いつつ/ _5_悠香 「片手であしらわれちゃった。でもま、そんな事言えるなら大丈夫かな」/ _4_有希 「まぁ、結婚して一年経とうとしてるし、流石にいつまでも初心じゃないよ」 _4_有希 「――それで、そういう悠香ちゃんはどうなのかな?」 にやりと笑って反撃/ _5_悠香 「私は独り身だし、暫くは忙しくて寂しさを感じる事もないし、問題無し〜」と呑気に言いつつ、目だけは笑って有希を見る/ _4_有希 「……ほう、つまりは忙しくしていないと寂しさを感じる時があると」 虚空から手帳を取り出し、メモを取る/ _5_悠香 「そりゃ人間ですから。って何でメモ取るの」メモをひったくろうとする/ _4_有希 「あら可愛い、人恋しくなったら添い寝してあげるから、いつでも言って?」取られる前に手帳を消し/ _5_悠香 「人妻と添い寝、って何か背徳的な雰囲気が……」と言いつつはたと気付く。 _5_悠香 「でも有希の年齢って」/ _4_有希 「歳ね…此処の年数換算だと大体650歳くらいかな?」/ _5_悠香 「大体630歳差か。……お母さんとか近所のお姉さんってレベル超えちゃってて最早ついでで背徳的な感じも吹き飛ぶレベルよね、これ」/ _4_有希 「生物的に構造が違うんだから年齢なんてどうでもいいの。私だって幼児相手と結婚してるつもりはないし」/ _5_悠香 「まあ、私も老人扱いする気は毛頭無いけどね。と言うかいきなり赤子扱いされても困るけど」 _5_悠香 「まあ、これくらい年齢差あったら最早色々諦めて添い寝されてもいいかな、ってなっちゃうね。私のプライドに賭けてしてもらう気無いけど」/ _4_有希 「添い寝は冗談だけど、そういう感情が悠香ちゃんにあるのは意外だったな。それを吐露するトコも含めて」/ _5_悠香 「私を人形かなにかと勘違いしてない……? まあ、私だって元々は何にも知らない、表の世界で言うところの普通の人間だったから、そりゃ寂しいなー、とか思ったりはするよ」 _5_悠香 「吐露してるのは有希とマスターくらいしか居ないからだし、あと何か今日はちょっと調子が悪いみたいで、かまってほしいのかな。お酒とかアルコール摂った覚えは無いんだけどね」/ _4_有希 「へー、そうなんだ。程度の差はあれ、最初にあった時から孤高というか、超然とした感じだったからそんなイメージなかったなぁ」 _4_有希 「で、どっか調子が悪いの? 今日こそ優しくしてあげないとダメだったかしら」 首を傾げ微笑んで/ _5_悠香 「そりゃ気を張ってたし、気を張る事が自分自身になってたというか……最初はまあ、他の一般人に迷惑を掛けないように、弱い人に迷惑を掛けないように、ってのが、ね」 _5_悠香 「私の口調、何か砕けた感じになっちゃってるでしょ。気を張り詰めなおそうとしても上手くいかなくて。疲れてるのかな……」>調子が〜/ _4_有希 「悠香ちゃんが言ったみたいに、少なくとも今は私とマスターしかいないんだからいいんじゃないの、そのままで」 _4_有希 「悠香ちゃんが他の人に迷惑掛けてることなんてあるのー?」 笑って問いかける/ _5_悠香 「私、これでも一応一般人でいきなり能力発現して困った人間なんだからね。今はただの一般人じゃないって理解してるけど」 _5_悠香 「自分が先祖返りだー、なんて理解したところで力が弱くなってくれる訳でも無いし。近づいてきた人にうっかり能力使ったらどうしよう、とか。悩みの種は尽きなかったんだからね」/ _5_悠香 「あとはほら、色々あったし。力が強くても助けられない事、とかね」/ _4_有希 「全部貴女のせいじゃないでしょ? 能力に覚醒したことも、その使い方がわからないことも」 _4_有希 「助けられなかったって思ってる事は、それは本当に貴女がやらないといけないことだったの?」/ _5_悠香 「そうだね、私のせいじゃない。力に目覚めた事、使い方を知らないこと……でも力に目覚めた以上、嫌でも責任が生じる。相手を傷つけて知らなかった、じゃ相手も私も気が済まない」 _5_悠香 「私がやらなくても誰かがやるかもしれない。でも、誰もやらなかったら? 私である必要性はなくても、誰かがやらなきゃ助けられない誰かを、私は次こそ助けたい」/ _4_有希 「いつだか、悠香ちゃんは自由で居たいと、貴女を縛るものを断ちたいと、そんな風に言っていた気がするけれど」 _4_有希 「悠香ちゃんにとって、力は不自由で、呪いのようなものなのね。 義務感と責任感で苦しいのでしょう?」/ _5_悠香 「まあね。でも、今更力を失っても知ってしまった以上、見て見ぬふりなんて出来ないし……足掻けるだけ足掻くしかない」と言って己の手を見る _5_悠香 「この身体が人の形を保てなくなったりでもしたら、そんな強がりも言えなくなっちゃうと思うけど」/ _5_悠香 「有希はそういうの、考えたりした事ある?」>力は不自由で〜/ _4_有希 「うーん、私は元より人間じゃないし、自ら力を求めて手に入れたから、悠香ちゃんの苦しさは想像しかできないかな」 _4_有希 「助けたかったのに助けられない、力があるのにそれができない、そういう苦しみはわかるつもりだけど」/ _5_悠香 「まあ、そればっかりは仕方ないか。生まれも境遇も違うしね。肩を並べて戦う事は出来るけど」>想像しかできない _5_悠香 「……死んでしまった人に次は無いけど、まだ生きてる人には次がある。だから次も、その次も……死ななくて良い人が死ななくて済むようにしたいな」/ _4_有希 「悠香ちゃん、貴女がどうやっても死ぬべき人は死んで、そうでないのは生き残るのよ」 _4_有希 「大きな責任を自分で背負いたいなら止めないし、それで弱音を吐いて甘えてくる悠香ちゃんは大歓迎だけど」 _4_有希 「私はそう考えて人を殺しているわ」/ _5_悠香 「私が頑張っても死んでしまった人は、元より助けられなかったんだと思って諦める事にしたよ」 _5_悠香 「でも、だからこそ、頑張れば助けられる人は助けたい。それが責任を負う事になろうと、自分を縛る矛盾に見えようと」 _5_悠香 「そうしないと、後悔が付きまとう……未来永劫、私を束縛する。だから、有希を否定する気はないけど……」力無げに笑みを見せる _5_悠香 「私は足掻ける範囲で、この『正義』を貫いてみたい。……なんてね」/ _4_有希 「頑張っても死んでしまった人として諦める時と、頑張りが及ばず死んでしまって後悔する時はどう違うの?」 _4_有希 「”前の私”は目に届くところ全ての死を諦めきれず、悔やんだわ」 _4_有希 「正義を騙るのなら、悠香ちゃん。 諦めずに人を救って。貴女に諦められた人は報われないわ」/ _5_悠香 「だから、手の届く範囲は諦めず救うよ。でも、私一人で世界中の救われない人間を、なんてのは無理」 _5_悠香 「私は、皆の都合のいいデウスエクスマキナじゃない。私に政治家の才能があったなら、国を変え、世界を変え、ってしたかもしれない」 _5_悠香 「でもね、その才能はない。私の手は私の手の届く範囲までしか届かない。私は神様になれないし、なるつもりもない」 _5_悠香 「私はね、無限に頑張るなんて出来ないんだよ。人間だから……」/ _4_有希 「そうね、ごめんね、悠香ちゃん」 _4_有希 「貴女がそれでいいなら、それでいいの。」 _4_有希 「あら、もうこんな時間。 帰らないとね」 席を立つ/ _5_悠香 「私もそろそろ帰らないと、だな」 _5_悠香 「……安心して、有希。私は手の届く範囲に居る人は、これから『絶対』諦めないからね」と笑って、一足先に退店/ _4_有希 悠香の後ろ姿を見送り 「――不器用なんだか、器用なんだか。 しかし、まったく、偽善者の多い事…」 呟き、虚空へと/